事業を通じて社会に尽くし、
永続的な成長を目指していきます。

代表取締役社長 松島 穣

当社グループの存在意義を「社会に必要とされ続ける永続企業を創造する」ことと定義しました。
社会から求められる事業を続けるには、まず、社会、つまりお客様が何を必要としているのか、その課題を知ることが循環の出発点になります。日本エコシステムでは、これまでも、お客様との巡り合いを大切にし、ご要望には徹底的に応える、いわば御用聞きともいえる姿勢で事業を拡大させてきました。お客様ご自身も認識していない課題に光をあて、具現化し、その解決へつながる道を照らしてさしあげたい。2021年10月に上場した際、改めて外部に発表した「未晃道」には、そうした想いが込められています。漢字の「晃」は分解すると「日」と「光」からできています。自分たちが日差しのように周りを照らすることで、従業員だけでなく、取引先、地域社会、ひいては次世代の人たちも輝いてほしいという想いも加え、凝縮して表現したつもりです。
私自身、社会に出て間もない頃、自分が生まれてきた意味を見つけられずに迷い、父に尋ねたことがありました。その際、返ってきたのは「世の中の人の役に立つためだ」という答えでした。当時の私にとって、それは暗夜を照らす一灯のようであったと記憶しています。

社会の一人でも多くの皆様に役に立つ事業であることを志し、当社では公益性の高い領域に力点を置いています。高速道路や再生エネルギーなどの公共インフラやサービスは、多くの人の暮らしに係わります。それだけ社会に必要とされる事業であるということです。急成長を見込む市場ではありませんが、安全性や品質の確保を重視する観点から市況の影響を比較的受けにくく、長期的に安定したキャッシュフローを創出できます。このため当社は、経営の自由度を維持したまま、公共インフラが抱える潜在的な課題の発見とその解決に向けて、多様な選択肢を検討することが可能になります。

今の日本エコシステムには、多数の事業が育ちつつありますが、事業を木に例えると、まだ植林をはじめたばかりの段階にあります。今後、どんな種類の木を植え、大きく育て、どんな森にしていくのか。外部環境の変化に適応しながら、一本一本の事業の成長に目配りし、新たな木々も加わるなかで、その先に、ゆっくりと形づくられる森林のイメージが、当社の目指す「300年企業」です。「300年企業」という豊かな森林として、社会に求められるサービスを提供し続ける力を涵養していくため、ひとつひとつの実績を、毎日積み上げて進んでいきたいと思います。

2030年のありたい姿とそれを実現するための中期経営計画は、300年企業を目指す私たちがスタート地点で描いた地図です。市場環境が刻々と変化するなかで、これまで手掛けていなかったシーズに巡り合う可能性もあります。自らが立てた目標や計画にこだわり過ぎることなく、チャンスには臨機応変に対応する柔軟性を維持していく考えです。
一方で、永く続く企業であるために、自分の子や孫も会社に入れたいと本気で思えるかどうか、そうした視点を持つことが、案外と重要ではないかと思います。この視点は日々の経営や業務において、健全な判断の積み重ねにもつながりますし、従業員満足のバロメーターともなります。
今後も、事業を通じて得た成果は、経営理念にもあるように、従業員だけでなく、株主様、お客様、お取引先様、地域社会にバランス良く報いていきます。ゆっくりと急がず堅実に成長していく当社を、今後ともご支援いただきますようよろしくお願い申し上げます。

代表取締役社長

松島 穣